2005年03月02日

AOGC2005 1日目レポート

日本工学院大学にて開催されているアジアオンラインゲームカンファレンス2005、通称AOGC2005に参加しました。
簡単に言うと、アジア圏(日本を始め、韓国や中国、台湾といった地方)のオンラインゲーム産業の現状の情報交換と、これからどうしていくかの発表会みたいなものです。
今回は、私は一般で入場しているので、写真はありません。
とはいっても、写真を撮ったところで楽しいものが出てくるとも思えませんがね :=(
ついでに言うと、久しぶりの日記ですが、その反動かは知りませんが文章は長いです。
興味のない人がいましたら、読まなくても結構です。
また、ここに書かれているものは私の主観も入っていますし、発表してはいけないものもあるかもしれませんが、その辺はご了承ください。

さて、このカンファレンス、2月28日と3月1日に分けて行われました。
とりあえず、私の聴講したものを中心に紹介します。

○スクウェア・エニックスのオンラインゲーム戦略について
講演者はスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏。
現段階では、FF11とクロスゲートという2つのタイトルを、大きく市場に投入している。
FF11は日本を始め、北米や欧州といった地域で遊ばれているのに対し、クロスゲートは中国で爆発的な人気を集めた作品。
なお、アジアオンラインゲームということで、中国の盛大社と、韓国のNCsoft社を比較対象にし、これまでスクウェア・エニックスがオンラインを見越してどうがんばってきたかをアピール。
また、今後のネットワークゲーム産業が発展していく中で、どうスクウェア・エニックスが働きかけていくかもアピールしてました。
少し具体的に言うと、いまはPS2やPC・携帯電話といったハードウェアの枠組みがあるけれど、やがてはこれが透明になっていく、と。
確かに、今のFFはPCでもPS2でも同じワールドに行く仕組みになってますし。
一番重要なのは、オンラインの持つコミュニケーションという部分であり、それを無視してオンラインゲームは作れない、と熱く語ってました。
(個人的な意見)
確かに、これからは各地域にあわせてフォーマットを変更していく必要があるかもしれないが、それよりも、ネットには国境がないことに注目してほしかった。
実際、今の状態を見ると、市場が違うから、じゃあ、こっちの国ではプロモーションに力を入れてパッケージを売りましょう、こっちの国ではダウンロードで販売しないと売れないだろう、などというレベルで話をしたところで、ユーザは頭打ちになるのではないだろうか。
これから求められるのは、マルチカントリーでも、その国境を越えた人のつながりを大事にできるオンラインゲームの発展を、アジア中心で行ってほしい。
ここ最近、タイのほうのパンヤをプレイしていたりするのだが、言葉の壁はあるものの、操作が同じでシンプルなため、その部分でコミュニケーションが行える。
マルチカントリーにいち早く気づいたPSOだと、シンプルチャットで多言語による会話が可能となっている。
この仕組みは、簡単なようで難しい。実際私も使った覚えがない。
その辺のアーキテクチャを何とかすれば、全世界に広まる、サーバが共通の、世界中からつながるゲームが見えてくるのかもしれない。


○韓国オンラインゲームにおけるRMTの実態調査
MMORPGの問題として大きなウェイトを占めているRMT問題。
実際、ROをはじめとしたオンラインゲームでは、ゲームパブリッシャーよりも大きな市場になっている(およそ1対2の割合)。
ユーザのアイテムに対する考え方が、「ゲーム内で稼いだのだから自分のもの」と考える人が多い、RMTをするひとは生活に困ってる人が多いわけではない、成績が少し悪い傾向があるそうだ。
RMTはユーザの認識に任せる意見が8割賛成、禁止すべきである意見が8割反対という調査結果が出た。
(個人的な意見)
RMTの問題は、オンラインゲーム内でアイテムが交換できる時点で必ずついてくるものだと思っている。
私自身は、アイテムをお金で買うことに関して、否定的な意見は持っていない。
が、これによりゲームバランスが崩れることにはなってほしくない。
実際にRMTをする人は、時間をお金で買っているといってもいいのかもしれないが、その使用単価の高さが問題なのだろう。
この辺は、法的な対応によっては、今後違法となる可能性もあるRMTだが、しばらくはなくならないだろう。


○オンラインゲームを利用した経済教育の実験の結果報告
韓国のオンラインゲーム「君主オンライン」を実際に使い、経済を学ぶことによって、経済に対する効能感や興味といったものがあるかどうかを行ったレポート。
2週間という短い期間ながら、「オンラインゲームのみ」「オンラインゲーム+経済の授業」というグループに分けて、効果があるかどうかを検討した。
結果は、オンラインゲーム+経済の授業のほうが関心も持ち、効能感があることが分かった。
○オンラインゲームの研究の新地平を切り拓く
東京大学による、オンラインゲームを利用した国際的な初めての研究の概要発表。
前の経済を学んだ韓国側の研究を基に、これから行っていくというもの。
コーエーと協力して、「信長の野望Online」を使用して、歴史を勉強しようという試み。
今後の予定は、2つのフェーズに分けて進行するそうです。
第1フェーズは、2005年10月までに研究の準備を行い、その間に日本と韓国の比較条件を選定、10月からパイロットテストを行った後、2006年4月から検証実験に入る。
2007年10月ごろ、第1フェーズの研究成果の発表を行える。
第2フェーズはそれ以降、研究内容の妥当性を見直して、今回使用した歴史シミュレーション以外のジャンルを探る。
韓国と同一のタイトルを利用して比較する。
(個人的な意見)
オンラインゲームで教育をするという考えは非常に好感が持てる。
現在、私も研究をする立場ながら、こういった研究ができれば面白いのではないかな、と頭をかすめた。
ただ、信長の野望Onlineをつかったことで、はたして歴史を勉強できるのかが疑問でならない。
信長の野望で時代感はつかめても、結局の話”戦闘”が目的になってしまうと、それこそ暴力による解決方法を学んでしまうのではないだろうか。
もう一度、ソフトウェアの選定を見直したほうが、私はいいと思う。
(決して信長の野望Onlineが悪いといってるわけではなく、知識を蓄えるという効果は薄いのではないか、と危惧しているだけです)


○ディストリビューターとしての市場戦略
ビー・ビー・サーブの副社長、国枝氏による講演。
ビー・ビー・サーブはソフトバンクBBの完全子会社であり、4gamer.netが有名なところなのではないだろうか。
ほかにも、最近ではチーム#8や、ネットカフェ事業なども勧めている。
また、ここでは詳しい数字に触れないが、現在のオンラインゲームのユーザの調査結果を実際に出し、そこから戦略を練っていくといったことをやっている。
(個人的な意見)
これに関しては、企業の戦略なのでどうこう言う部分はない。
確かに、オンラインゲームの情報の最大手といっても過言でない4Gamerを有効利用して、オンラインゲーム認知を向上させるのも戦略だし、
また、ソフトバンクBBの子会社である点を有効に使って、ブロードバンドならではのコンテンツとして出していくことも可能であるだろう。
というか・・・いつもお世話になっていますorz。


なお、私の書いた拙い文章より、最もわかりやすい文章が以下のサイトで読むことができます。
http://www.dengekionline.com/data/news/2005/02/28/67b4d3438ddf63f526017e00775ae3a4.html
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20050228/aogc.htm
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20050228/bba.htm
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20050228/kans.htm

投稿者 webmaster : 02:02 | コメント (0) | トラックバック